ファータは、それでも調子が良い日はよく外に出ていた。その羽は上手く機能せず、
まるで人のように歩くその姿は、周りの失笑を誘わずにはいられなかった。しかしファ
ータは、決して笑顔を崩そうとはしない。ただ、彼等が優雅に飛ぶその姿を眩しそうに
見上げ、笑うのだった。
「空を飛ぶのって、気持ちいい?」
「そうでもないさ」
そんなファータの数少ない友人達は、決まってそう答えた。そして、彼女に合わせる
ように地に足をつけて歩いた。
「ほら、歩いてないで、飛んでよ。わたしは見てるだけで楽しいんだから」
そして、いつも彼女は友人達にそうお願いをするのだった。友人達は仕方なく、とい
った風に空を飛び始めるが、それこそが彼等の本来の姿であり、また自然なことでもあ
った。すぐに彼等は自由に空を飛び回り、その楽しさを全身で表現し始める。
ファータは、それを眺めて、合わせるように羽をせわしなく動かしていた。そうする
とわずかながら浮くことはできたし、彼女の周りを飛び回る彼等を眺めていると、まる
で彼女自身が飛んでいるような感覚になれるからだった。
それは、彼女が二番目に楽しみにしている時間だった。
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